論文を書けるようになるということは、どのような変化を意味するのでしょ
うか。
私達の脳は言語を習得するにしたがって次第に論理をもった思考をするよう
になります。たとえば、はじめは自分を表現する言葉も持っていませんし、食
べ物や衣服や、身体の状態や気分を表す言葉ももっていません。しかし覚えて
いく言葉のひとつひとつをつなげていって、要求を訴え、対象となるモノや人
を指し示し、やがて状態を訴えたり気分を訴えるようになり、相手を気遣った
り情感を表現したりするようにもなっていきます。
そのように、言葉の習得が名詞や動詞、形容詞、形容動詞、と増えていくに
つれて論理的な表現を行なうために助詞や助動詞を使えるようにしていく努力
をし始めます。それは、訴えたいことが本能の要求や自己防衛の深いところか
らのエネルギーに突き動かされるからでもあります。
論文を書くことが苦手だと感じている人は、様々な言葉を知識としては記憶
しているかもしれませんが、使いこなした経験はまだ少ない状態にあります。
したがって、言語量を増加させる必要よりも言語を連繋させる経験を増加させ
ることの方が重要です。そのため、実際に論文を作成するという高度に複雑な
論理思考と客観的な情報処理の方法をひとつひとつ丁寧に経験することが必要
です。そしてそれには、何よりも伝えたい欲求を喚起する題材を抱えてみるこ
とも重要になります。
そうした適切な経験の蓄積は、思考を複雑かつ多層的にしてくれます。それ
によって自分の伝えたいことを語るための論理的文脈を形成することができる
ようになります。
たとえば遊園地で遊ぶときでさえ、論理的思考をはじめると、どのイベント
から行けば待ち時間が少なくいかとか食事や休憩をいつどこで取れば効率良く
楽しめるかを考えることでしょう。
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